6.232022
🔰広報カワベの鋳物研究ブログ🔰NO.3
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皆さん、こんにちは!広報担当のカワベトモコです。
鋳物業界初心者の私が「鋳物ってこんな風に作られてるんや!」と感動したこと、驚いたこと、初めて知ったことなどをなるべく分かりやすい言葉でブログに書いていこうと思っています。
今回は、根本的に鋳物作りに絶対欠かせない物について書いてみたいと思います。
それは、「溶融する金属の種類はな~に?」です。鋳物はそもそも金属を溶かして、鋳型に流し込み冷え固まらせて作ります。
では、その金属って一体何が使われているのでしょうか?
とゆーことで、今回は、鋳鉄の鋳物作りには絶対に欠かせない“金属の種類”についてあれこれ書いてみたいと思います。
まず、鋳鉄鋳物は主に【鉄+炭素+ケイ素】でできています。
鋳鉄鋳物作りには、炭素、ケイ素、硫黄、マンガン、リンのこの五元素のバランスが非常に大事になります。そして、鋳物の強度は“ケイ素の量”によって決まります。
前回「金属は冷えて固まる時に収縮する性質を持っています」とお伝えしたのですが、まさに、鋳鉄鋳物作りでは五元素のバランス、金属の配合バランス、そして、収縮率を計算した金属の分量バランスが、良い鋳物を作る上で重要になってきます。
例えば、鋳物製品の重量が70㎏~80㎏の場合は、溶融する金属は約100㎏になります。
+30㎏も金属を溶融する理由として、相当量のスラグが発生する事と、収縮する率を見越して、多めに金属を入れます。
“この鋳物製品には、これだけの量を入れる”とデータ管理をキッチリしているので、鋳物製品の成功率のより高いデータを元に、溶融する金属の量を把握、管理しています。
そして、電気炉で溶解する金属を投入する順番も決まっているようです。
まず一番初めに、「チョッパー」と言われる鉄スクラップ材をいれます。“チョッパー”と聞くとアニメのワンピースに登場する“チョッパー”を思い浮かべてしまいましたが・・・(笑) おもしろい呼び名だなぁと思いました。
これを一番初めに入れる理由は、電気炉を痛めない様にクッションの役割を果たしているようです。
2番目は、鋳物作りには絶対に欠かせない「銑鉄(せんてつ)」を投入します。この「銑鉄」はわざわざ鋳物用に作られた物で、マンガン量が比較的低い銑鉄はダクタイル用に、マンガンがしっかり含まれている銑鉄はFC用に用いられます。
鋳物製品によってどちらかの銑鉄を投入しています。
3番目は、鉄スクラップ材の「カタンコロ」を投入します。「カタンコロン」と思わず「ン」を語尾に付けたくなるぐらい、何とも言えない可愛い響きです。
4番目には、「加炭材」を投入します。五元素の内の“炭素”になります。
5番目には、五元素の内の「硫黄」と「マンガン」を同時に投入します。
最後に、五元素の内の「ケイ素」を投入すれば完了です!こちらのケイ素は“シリコンと鉄”の合金のようです。
ケイ素を一番最後に入れる理由は、溶解した湯をキレイにする作用があるためと、もう一つ大事な理由が、鋳物の強度を左右するためです。
ケイ素の分量によって強度が変わるので、とても重要な役割を担っています。(リンも投入しますが、こちらの画像は控えさせていただきますね。)
今回、溶解する金属をご紹介したのですが、私自身、“なるほど~”と思う事ばかりでした。
可愛いネーミングの金属の材料を知って鋳物がもっと好きになりました!
日々、鋳物の事を社内の方に教えていただきながら、分かりやすい言葉でお伝えできるよう頑張って参ります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、次回もお楽しみに~!